劇評 18/19+

劇評のブログです

.新里直之

ジョン・グムヒョン『リハビリ トレーニング』

KYOTO EXPERIMENT 2018で上演されたジョン・グムヒョン『リハビリ トレーニング』は、きわめてシンプルな没入型の(immersive)パフォーマンスだった。フラットなホールには、トレーニングベッド、リフトマシン、歩行訓練用の機器、装具や固定用ベルトをのせ…

東京デスロック+第12言語演劇スタジオ『가모메 カルメギ』

対面客席のあいだを貫く長細い舞台に額縁状の柱と梁の構築物が立っている。床には1930年代から現今にかけてのさまざまな時代の遺物、たとえば家具、衣類、電化製品、こまごました日用品、さらにおびただしい数の新聞紙が散らばっている。一大事の過ぎ去った…

ベルリン・シャウビューネ『民衆の敵 An Enemy of the People』

イプセンのテクストを用いて「経済」があらゆるものを押し流すという現代の状況にアプローチすること。ふじのくに せかい演劇祭2018の公式プログラムとして上演されたベルリン・シャウビューネ劇場『民衆の敵』は、そうしたねらいをもつ作品だった。もちろん…